2008年08月26日

平和構築人材育成事業、2年目始動

IMG_0972 平和構築人材育成パイロット事業の2年目が始まった。8月25日に国連大学本部で行われた開講式は、NHKでも放映(結構長いニュース!)。福田総理の表敬訪問も行われた。今日は講義の後、協力団体の関係者を招いてのレセプション。終わる間際に駆けつけた。

昨年の実績の上に、今年がある。今年の成果は、来年につながる。数え切れないほどの関係者が、この事業を支えている。平和構築を合い言葉に、日本とアジアと世界を結びつけるプラットフォームが発展するよう、新たな立場で遠くから応援したい。

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2008年08月14日

地道な発信

history 017 先月開催された平和構築公開セミナーの記録が完成した。早速、日本語英語の双方で、プレゼン資料とともにウェブに掲載。IさんとMさんが中心となって、内外の関係者のコメントをとりまとめたものだ。ウェブキャストでも見られる。

簡単な作業ではない。しかし、セミナーは、成果を定着させることが大事だ。特に、「日本からの英語での発信」は、量が断然少ない。何を考えているのか、英語できちんと伝えることで、世界に働きかけることができる。今回のセミナーは、国連平和構築支援事務局をはじめ、国連の平和構築関係者が多数参加している。このプラットフォーム自体、大きな財産だ。地道な発信こそ、将来につながる。

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2008年08月10日

鎌倉にふれる

IMG_0930 週末に鎌倉へ。七里ヶ浜で海の風にあたる。浜辺にうち寄せる波。遠くに江ノ島が見える。夏の日差しは雲で和らぐ。ゆったりとした日曜日の午後。

IMG_0939 そして長谷寺。昔ながらの境内。慌ただしい現代から、昔の時代に直結するような気持ち。奥の散歩道を上ると、遠くに弓ヶ浜から葉山まで見渡せる。

IMG_0953 鎌倉文学館に立ち寄る。旧前田侯爵家の鎌倉別邸。山を背に、海を前に。館内には、明治時代からの有名な作家の本や写真、エピソードが展示されている。

歴史を感じる。私たちの時代は、どういう歴史になるのだろう。

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2008年08月09日

どこでも通用する力

IMG_0929 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」の宮崎駿・90分スペシャルを見た。「崖の上のポニョ」をつくる真剣さはすごい。何気なく見ているアニメでも、それぞれのシーンにそこまでの思い入れがあるとは。

丁度、プロデューサーの鈴木敏夫氏が最近出した「仕事道楽-スタジオジブリの現場」を読んでいた。アニメージュ出版から風の谷のナウシカ、今のポニョに至るまで、ジブリの雰囲気が生き生きと伝わってくる。創作とビジネスの微妙なバランスを、どう成功につなげるか。やはり、真剣さが鍵だ。

鈴木氏のことば。「ぼくは毎年、新入社員に同じことを言っています。『ジブリに就職してそこでよかったなという考えの人はいらない。ひとりの職業人になりなさい』。アニメーターならアニメーターで、どこへ行っても役に立つだけのものをここで培ってほしい、と言う。つまり、個人名でやる仕事なんですよ。組織に埋没する会社員じゃなくて、一人前の職業人になると思わないとつらいんです。」(p.171)

どこでも通用する力を身につける。組織にいても、仕事は個人から。それはそうと、今度ポニョを見たい。

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2008年08月08日

違う時期に同じ場所で

IMG_0920 バングラデシュ国連常駐官事務所のNさん。ワシントン時代からDC開発フォーラムで本当にお世話になり、英国開発学勉強会(IDDP)のプレゼンでもご一緒した。この夏に一時帰国ということで、久しぶりのDC開発フォーラム幹事飲み会(?)を兼ねて、恵比寿のお店で夕食会。

集まった6人は、ワシントンのみならず、ニューヨーク、ロンドン、サセックス、タンザニア、エチオピアなどで、違う時期に同じ場所で勉強や仕事をしていたり、共通の知り合いがいたり(・・・援助協調を、国際会議と途上国の現場の双方で担当する人が多い)。世界は結構狭いと感じる。

今度、Skypecastを使って、世界各地をむすんだオンライン・フォーラムをやろうか?などアイディアも出てきた。ICTはどんどん進歩し、使いやすくなっている。新しいことを、楽しみながら。

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2008年08月07日

ひとつの時代から、新しい時代へ

IMG_0918 職場の歓送迎会で、浅草のもんじゃ焼屋へ。私も含め、半数以上が対象者の大規模異動だ。鉄板を囲み、料理をつつきながら、ガヤガヤにぎやかに。

一緒に過ごしてきた仲間たちとの別れ。これまで毎日、激動の中で、運命をともにしてきた。先が見えないトンネルの中にいたとき。努力と苦労のあと、その成果を実感できたとき。数限りない思い出とともに、ひとつの時代を後にする。そこで感じる。あの時代って、いったい何だったんだろう。

「歴史を共有する」。ご縁のあった人たちが、一つの歴史を一緒につくりあげた。同じ場所で、同じことを経験し、同じことに感動し、同じ思い出を胸に刻んだ。一人ひとりの心の中で、種になり、花粉になる。そして、新しい時代へ。とどまる人は、新しい人を迎え入れる。去る人は、たんぽぽの種が風で散っていくように、花粉が別の花にたどりつくように、新しいチームに加わる。それぞれが、新しい時代をつくっていく。それは、お互いがお互いの中で、生き続け、広がっていくこと。

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2008年08月06日

メッセージ性

IMG_0903 8月6日。広島市原爆死没者慰霊式・平和祈念式が行われた。献花、黙とう、広島市長の「平和宣言」と子ども代表の「平和への誓い」が続く。

そして福田総理の挨拶。「国としても、唯一の被爆国として、広島、長崎の悲劇を二度と繰り返してはならないと堅く決意し、戦後一貫して国際平和の途を歩んでまいりました。広島は平和の象徴(シンボル)です。昨年から日本とアジアの青年たちが『広島平和構築人材育成センター』に集い、平和の大切さを実感しながら国際平和協力活動について学ぶ研修を始めています。平和で安定した国際社会は、我が国の安全と繁栄にとってもかけがえのない財産であり、これを守り育てるためにも、我が国は『平和協力国家』として、国際社会において責任ある役割を果たしていかなくてはなりません。」

日本の平和への思いを、今の世界が直面する平和構築という課題に生かす。そのために、平和構築を担う人たちを、広島で育て、世界に送り出す。「具体的な行動」が、「メッセージ性」と結びついたとき、遙かに大きなインパクトをもたらす。将来の方向性を、目に見える形で指し示し、人の心を動かすからだ。一人ひとりの研修員が、その担い手、メッセンジャーとなる。広島から、日本から、世界の流れを着実につくり上げていきたい。

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2008年08月05日

ことばの力

IMG_0891 ジャーナリスト出身のT外務副報道官。先月末に最後の記者会見を行った。日本と平和構築について、内外にどう発信するのか。長い間、「ことばのプロ」から、「ことばの力」を教わってきた。

以前のインタビューで、日本の発信力とブランディングを語っている。「今、グローバルな世界の中で、日本はどのような国なのか、自分で意識的に説明していかなければならない時代になってきています。経済におけるメガ・コンペティション(巨大競争)と同じように、外交におけるメガ・コンペティションの時代になってきているんだと思います。」

教わったことを胸に刻み、将来に生かしていきたい。

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2008年08月04日

鈍の強さ

IMG_0901 「強く、生きる。-夢とともに人は成長する-」。ワタミ社長の渡邉美樹氏が、「人生観」「価値観」に焦点を絞って書いた本。真剣に生きる、エネルギーに溢れている。

一日とはすなわち一生のこと。「あらゆる一日は人生の凝縮です。なぜなら、一つでもピースが欠ければパズル全体がけっして完成しないように、雑な下書きからすばらしい清書が生まれることのないように、一日をおろそかにする人に、人生をきちんと生き切ることはできないからです。だから、あたかも全生涯を生きるように今日一日に全力を尽くす。」(p.14)

変わらないこと。「私にとって、『強い』の第一イメージは、『変わらない』ことです。たとえば継続は力なりで、小さなことや当たり前のことでも、それを倦むことなく続ける。その『変わらなさ』に強さの源泉があるのです。あるいは、いつも変わらない態度や物腰で人や物事に接することができる。(・・・)自分が人を選ぶときの最大の基準も、この『変わらなさ』です。(・・・)自分なりの基準やペースを自分の中にきちんと構築している人。」(pp.25-26)

のろく、鈍く生きること。「『鈍』とは何か。同じことを実直に繰り返せる能力です。(・・・)鈍の利点は、一つひとつの行為に本気を込められることです。(・・・)鋭い人は案外もろいものです。学校で生徒を見ていても、頭のいい子ほど『伸びしろ』が小さい傾向があります。先が見えて要領もいいから、本気を出さなくても小手先で対応できる。そのため、楽をすることを覚えてしまうからでしょう。それが鋭い人がはまりやすい落とし穴で、長いスパンで見ると人生には、能力の高い人が必ずしも幸せをつかんでいない。(・・・)最後にはウサギが亀に追い越されたように、長い目で見れば、鈍が鋭よりも遠く、高い地点まで達することができるのは、当然のなりゆきともいえるのです。」(pp.48-50)

父と子の約束事・五ヶ条で、人生訓を書く。「自分だけの大いなる人生を、勇気と希望と誇りをもち、力強く歩きつづけなさい。(1)約束を守れ、嘘はつくな。(2)愚痴、陰口を言うな。(3)笑顔で元気よく挨拶せよ。(4)他人の喜び、悲しみを共有せよ。(5)正しいと思い、決めたことは、あきらめずに最後までやり遂げよ。(・・・)哲学というには『随分単純だ』と思うかもしれません。しかし平易だからこそ守るのがむずかしい項目ばかりで、この五つの約束が実行できれば、その人はおそらく、どこで何をしても成功と幸福が約束されるはずです。」(pp.148-15)

自分と戦う。「競争に関して、ワタミの社員を見ていてわかったことがあります。他人との競争に熱心な社員の優秀さは長続きをしないという点です。(・・・)他人との比較の中でしか自分の能力を測れない人は『自分の基準』がもてない。だからまわりばかり気にする。他人と比べることしか知らないから、勝ち負けの発想しかもてず、優劣や順位ばかりに関心が向いて、『考える』力がつかない。(・・・)どんな戦いも、実は自分との戦いです。だから自分に勝てない人間は人にも勝てない。」(pp.189-190)

抽象的で、具体的。身近で、深いことば。私自身の人生の、様々な場面と照らし合わせる。あの時、自分は何を考えていたか。何をしたのか。今、これから、どう生きるのか。遠くの遠くから、著者のことばを受けとめ、情熱を受け取って、自分を生き、生かされていきたい。

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2008年07月28日

国際平和協力へのステップ

IMG_0740 国際平和協力研究員の公募が始まった。10月採用で、締切は8月14日。内閣府の国際平和協力本部事務局で、国際平和協力に関する研究や選挙監視などの実務に取り組む。最長2年の任期。その後はPKOなど国際機関に進む人も多い。ウェブサイトには、制度の概要現在の研究員の研究テーマOB・OGの進路等が紹介されている。

国際平和協力懇談会(明石懇)の具体的なフォローアップの一つとして始まった。この分野の第一人者が運営やアドバイスに関わっている。International Peace Cooperation Headquarters, Cabinet Office, Government of Japanの勤務を履歴書に書けることは、その後の国際的なキャリアアップにも有用とも聞いた。

国際平和協力に踏み出すには、いろいろな道がある。広島平和構築人材育成センターは、平和構築分野の就職ガイドブックで多様なキャリアパスを紹介している。JICAのパートナーも、大規模な活動を展開。国際協力ガイドは情報量が多い。平和構築フォーラムは一つの入り口になる。この分野でのキャリアを目指す、様々な経歴の人たちにとって、次のステップに役に立つ情報や機会は何か。しっかりと耳を傾け、できることに取り組みたい。

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2008年07月27日

セカンドトラック

IMG_0875 国際協力3フォーラム合同の夏のオフ会in東京が開催された。司会は国連フォーラムのKoさん。Club JPOからNさん、DC開発フォーラムから私が挨拶し、約100人の一言自己紹介。国連フォーラムのTさん、Kuさんの挨拶のあと、前国連事務総長特別代表のH先生の乾杯で、歓談に移った。丁度夏休みで、海外の国際機関や大学などから一時帰国している人も多い。国際公務員への転職を考えている社会人や、大学で開発や国際関係論に取り組んでいる学生も来た。政府や実施機関、コンサルタント、シンクタンクやNGO、広島平和構築人材育成センターの昨年と今年の研修員も参加している。

IMG_0881 仕事ではない。仕事は固い組織で動く。効率を追求し、無駄を省く。他の組織とのやりとりは、必要な人と、必要な時だけ。会合には、成果を常に求める。そう考えると、日曜日の昼の交流会は、業務にはちょっと馴染まない。しかし、人はオフ会に集まる。そこには出会いがある。発見がある。組織と場所を超えて、目的や志を同じくする、前向きな人たちがいる。相互の理解が深まり、信頼が生まれ、新たなアイディアが出てくる。楽しい!

IMG_0886 縦割りの組織やフォーマルな協議では相互に隔てられた、知恵や経験や意欲がある人たちが結びつく場。そのような「セカンドトラック」の底流があってこそ、「ファーストトラック」の意志決定がより大きな力を発揮するのではないか。グローバルイシューの担い手の裾野と議論の空間を、「ファーストトラック」から「セカンドトラック」へと広げていきたい。

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2008年07月26日

一歩踏み出す

IMG_0789 マザーハウス社長の山口絵理子さん「裸でも生きる-25歳女性起業家の号泣戦記」を読んだ。バングラデシュのジュートを使った高品質バッグの製造・販売で起業し、困難を乗り越えてブレイク中。バングラデシュ在勤時に初めてお会いしたご縁で、ご多忙の中、行政会行政研修にもお越しいただいた。話を聞いて、その情熱と迫力に誰もが圧倒される。

ワシントンの国際機関を経て、バングラデシュに飛び込む。自らの経験をもとに考える。「汚職のはびこるこの国で、援助や寄付が求める人の手に届かない一方、民間セクターは安いものを大量生産している。そして、いわゆるフェアトレードと呼ばれる商品を生産している社会の底辺にいる人たちは、悪い品質でも心温かい先進国のバイヤーに買われ、結果消費者の満足にはほど遠い商品が作られ、かわいそうだからという気持ちで買われ、使われずにタンスにしまわれている。私はそのいずれにも疑問を感じた。そして、いま求められているもの、そして自分が挑戦すべきことは、単純に『かわいい!欲しい!』と心から思えるものを、この地から発信することではないかと思った。(・・・)NGOや生産者を支援するという目的ではなく、起業としてビジネスとして行うべきで、デザイン、品質管理、すべてを徹底する。」(p.120)

大きなハードルを前に、踏み出す。「自分一人の力では変わらない現実があることも痛いほどわかっていた。でも私は、一歩踏みだそうと思った。それは今まで見てきたたくさんの理不尽な現実があったからだ。(・・・)」(p.121)生産者に裏切られた苦しみを乗り越え、新作の売り上げは旧作の10倍に。直営店も次々と開く。

ただただ生きるために、生きていた、バングラデシュ人の姿を毎日見ていて考えた。「自分は一体何をしてきたんだ。他人と比べて一番になるなんてそんなちっぽけなことに全力を注ぎ、泣いたり笑ったり。こんな幸運な星の下に生まれておいて、周りを気にして自分ができることにも挑戦せず、したいことも我慢して、色んな制約条件を自分自身の中だけでつくりだし、自分の心の声から無意識に耳を背け、時間と共に流れていく。バングラデシュのみんなに比べて山ほど選択肢が広がっている私の人生の中、自分が彼らにできることはなんだろう。それは、まず自分自身が信じる道を生きることだった。」(pp.258-259)

8月15日にはグロービスで講演会を行うとのこと。一人が信念を持ち、一歩踏み出すことで、多くの人たちの協力と共感をよぶ。さざ波のように世の中に広がって、社会を変えていく。山口さんに学びたい。

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2008年07月25日

国連の総合力を平和構築にどう活かすか

history 025 国連の平和構築担当者が、広島に集まった。国連平和構築支援事務局(PBSO)平和構築人材育成センター(HPC)の共催で、平和構築コミュニティ・オブ・プラクティス(PBCoP)第1回ワークショップが広島で行われた。世界各地から30名以上が参加。HPCからは、「日本と広島における紛争後の平和構築」のプレゼンを行い、平和祈念公園も訪問した。

今日は全員が東京に移動し、国連大学と外務省が共催に加わって公開セミナーを開催。テーマは「国連による平和構築が直面する課題:現場からの教訓と新しい取組」だ。(インターネットでセミナー全体のビデオ映像を見られる。)PBSOから、今後の行動計画、実務者マニュアル、事務総長報告の準備などを紹介した。そして、ブルンジ、ネパール、レバノン、ギニアビサウ、アフリカ地域全般について、現地の担当者からの報告。平和構築を支援するとき、実際に何が問題で、どこから手をつけ始めるのか。現地だからこそわかる。その活動を支えるために、誰が何をすべきなのか。

history 017 平和構築に関わる国連機関は多い。その相互調整は、国連の力だけでは容易ではない。国連の総合力を平和構築にどう活かすのか。国連の各機関や現場の状況を熟知し、国連の努力を後押しすることこそ、日本にふさわしい役割だ。国連の平和構築支援の中核を、日本が支える。日本だけの平和構築支援よりも、遙かにインパクトも広がりもある。折しも、日本は国連平和構築委員会の議長を本年末まで務めている。HPCは、日本から、アジアから、世界の平和構築を担う人材を育成し、更に知的貢献を推進する中核(ハブ)としての歩みを始めた。舞台は整っている。

しかし、実行するのは一人ひとりだ。HPC事務局や研修員をはじめ、国際機関、政府、実施機関、NGO、企業、大学などで平和構築に取り組む、世界各地の人たちが、問題意識を共有し、具体的な行動、具体的な成果を、それぞれの現場で積み重ねることこそ大事だ。日本や日本人が率先実行することで、国連やその向こうにいる関係者を巻き込み、平和構築の一番の担い手である現地の人たちを勇気づけることができる。

history 044 セミナー後のレセプションでは、多くの人たちにお会いした。「広島からいつもブログを読んでいます!」と声をかけられて、嬉しく思った。紛争国や途上国の現地や、東京以外の日本各地には、東京の息づかいがすぐに伝わらない。逆に、東京では、情報過多と忙しさの中で、地方や現地の声が通りにくい。それをどう克服するか。コミュニケーションの基盤となるのは、人と人との信頼関係だ。場所や組織や世代を超えて、それを築き上げていきたい。このブログも役立っているかな?

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2008年07月23日

ネット生保の視点

IMG_0784 行政会でネット生保の話を伺った。講師のIさんは、MBA留学を経て、大手生保OBとともに、副社長として新会社を立ち上げた。生保業界の歴史・構造や、新ビジネス立ち上げの条件、立ち上げに向けての投資家とのやりとり、ネット活用の問題とその克服、そして生保購入のポイントに至るまで、密度の濃い内容。勉強になるのみならず、実際に役に立つ。「プロの目から見てメリットがあるのみならず、商品やマーケティングが消費者の心に突き刺さるものでないと売れない」など、経験に裏付けられた話には重みがある。

実際に起業してみて、生保以外に今後開拓の余地が大きいと思う業界がどこかを尋ねた。答えは「パブリックセクター」。行政には、民間企業のノウハウや動向から学ぶべき点が多い。この10年で、「縦割り行政」の打破から、「官民の垣根」の克服へと、世の中の問題意識が移りつつあると感じる。勉強会の地道な継続を通じて、様々な官民の連携のあり方を考え、日々の仕事にも生かしていきたい。

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2008年07月21日

世界における日本のリーダーシップ

IMG_0786 日々の出来事から、いろいろなことを考える。一つの切り口は、「世界における日本のリーダーシップ」。最近のG8サミットやアフリカ開発会議のような檜舞台だけではない。開発や平和構築など、個別のグローバルイシューで、どう実行に移していくのか。マネジメントのノウハウやリーダーシップ論は、国やその担い手にどう応用できるのか。一人ひとりに関わる問題だ。

「世界における日本のリーダーシップ」は、日本にとってなぜ大事なのか。日本自身の利益になるから。「情けは人のためならず」。日本が自らの能力を発揮して、目指すものを実現できるから。自分も嬉しく、周りからも認められる。国際社会における責任があるから。様々な財産や機会に恵まれている国こそ、その「恵み」に感謝し、世界のために活用する役回りがある。

人と国には共通点が多い。違うのは、国は様々な考えを持つ国民で構成され、政府の活動にはその国民の支持が不可欠なこと。国や政府がリーダーシップを取るには、国民がその意義を理解し、行動することが必要になる。目先の負担も伴い得るからだ。

何ができるのか。常に考え、深めること。そして、目の前の仕事から始めること。開発問題について、5年前4年前に考えたことを振り返ると、実現したことも、実現できなかったこともある。を読んでいたら、「夢見ながら耕す人になれ」ということばに出会った。著者が電機メーカーの工場で見つけた標語の由。理想を追いかけることと、目の前の物事をきちんと行うことの両方が大事だ。「世界」と「日本」と「国民」を結びつけるものは何か。日々の仕事や活動の中で、着実に取り組んでいきたい。

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2008年07月20日

人を生かす

IMG_0787 稲盛和夫氏の「人を生かす」を読んだ。一流の企業を創り上げた稲盛氏は、日本を支える中堅・中小企業の経営者育成に少しでも役立ちたいと、ボランティアで経営塾を始めた。今や25年間続き、塾生は4500名を超える。

中小企業の経営者に対して、歯に衣を着せず、厳しいことばをガツンとぶつける。「あなたの場合、勉強して頭で考えた経営理念、会社のあるべき姿というのを形だけ取り入れておられるという感じがします。経営において、今、あなたがすべきことはそんなことではないと私は思います。(・・・)あなた自身が現場に行って、利益を出せるようにしていかなくてはならないのです。(pp.48-50)」「中小企業にはそんな立派な社員が来るわけはありません。(・・・)しかし、そういう人たちをまず大事にするということから始めなくてはなりません。あなたにはその点が少し足りないのではないかと思うのです。(p.63)」「経営者としてマイナスだったあなたがゼロになっただけで、プラスになったわけでではないのです。(p.95)」

逆に、批判を受け悩む経営者を励ます。「コンサルタントはみんな、『人を育てるにはもっと人に仕事を任すべきです』というのです。それを聞くと『なるほど』と思って非常に悩まれる。しかし私は、『それはナンセンスだ』と断言します。それは自分で経営したことがない人がいう言葉です。経営者はそんな悠長なことはいっていられないのです。(p.216)」

経営者は孤独な役職だ。陰口はたたかれても、親身になって正面から叱る人はいない。そのような人たちのメンターとして、厳しく、そして温かく支えることは、かけがえのない助力になるだろう。稲盛氏は、本業をしっかりやった上で、それに取り組んできた。

リーダーの役割を最後に述べる。事業の目的・意義を明確にし、部下に指し示す。具体的な目標を掲げ、部下を巻き込みながら計画を立てる。強烈な願望を心に抱き続ける。誰にも負けない努力をする。強い意志を持つ。立派な人格を持つ。困難に遭遇しても決してあきらめない。部下に愛情を持って接する。部下を動機づけし続ける。常に創造的になる(pp.251-262)。世の中には、歴史の中には、すばらしいリーダーがたくさんいる。その原理と行動を、自らと照らし合わせて反省し、与えられた機会を最大限に生かしていきたい。

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2008年07月19日

近い国連

IMG_2901 ICTの進歩で、NYの国連が近くなった。例えば、7月17日の安保理での「紛争下の子ども」の討議。会合の要約に加えて、ビデオ録画をインターネットで見ることができる。

何がどのように議論されているのか。各国や国際機関の代表者による議論を、世界中からアクセスし、聞いて考えることができる。要約を読むと、日本代表のT大使も、現在議長を務めている平和構築委員会や、G8サミットとアフリカ会議、人間の安全保障に言及している。(ビデオ画像では、午後の40分ほどのところで見られる。)

学生の時に、国連の議論を知ろうとした時は、資料館で議事録や要約を探すしかなかった。今や、議長の采配振りや次々と続く発言も含め、ビデオ画像で会議の雰囲気がわかる。

その向こうに、より大きな課題がある。このような国連での議論や決定が、紛争・開発・環境問題などの現場にどのようなインパクトを与えられるのか。世界の世論や人々の行動にどのような影響を及ぼせるのか。近くなった国連を、日本としてどう積極的に活用できるか、考えていきたい。

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2008年07月18日

ロールモデル

IMG_3276 一橋大学のNさんが、国連PKO局の政策・評価・訓練部長に着任する。UNHCRでバルカンの現場を回った後、ジュネーブとNYで国連機関の運営と改革に取り組む。民主化支援の国際機関と日本の大学を経て、今度はPKO局の幹部に。広島平和構築人材育成センター(HPC)の国内研修講師や東京平和構築シンポジウム2008の第3セッション司会としても協力いただいた。模擬国連のOGとして、昨年来、高校模擬国連の立ち上げもリードしてきた。

明石康氏、緒方貞子氏に続いて、国連の舞台で活躍する人が増えている。国連フォーラム連載の「国連職員NOW!」では、国連で活躍する様々な人たちが、既に80名近く紹介されている。この分野のキャリアを目指す多くの若者にとってのロールモデルだ。先を行く人も、後に続く人も、世界の前線で活躍してほしい。

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2008年07月17日

世界とのさまざまなつながり

IMG_0782 三重大学の「国際組織論」で講義を行った。テーマは「平和維持・平和構築-世界の中の日本の新たな課題」。アフリカ開発会議とG8サミットでの扱いも紹介しながら、個々の学生にとっての意味合いについても考えたいと思った。

三重大学での学生の生活は、世界の紛争や貧困とどのように結びついているのだろうか。結びつけられるのだろうか。地方の国立大学ということで、地元で育ち、地元で就職する学生が多い。海外旅行の経験者は少ない。国際交流のサークルも限られている。国際機関の駐日事務所やNGOでのインターンの機会もなかなかない。外国人労働者は徐々に増えているものの、東ティモールやネパール、アフガニスタンやアフリカは、まさに「別世界」だろう。

最初の質問で、「国内でたくさんの問題があるのに、なぜ外国の人たちを助けなければならないのか、と言われた。どう答えるか。」と問われた。学生全員に、国内と海外の問題のどちらにもっとお金を使うべきと考えるか、手を挙げてもらうと、ほぼ半々だった。理由をきいてみた。人のことをあれこれ考える前に、自分のことをきちんと解決しないといけない。海外が発展すれば、日本にもメリットが出てくる。それぞれに、一理がある。答えは何か。

世界で起きている紛争や開発、環境や人権などの問題が、私たちの日々の生活や将来の人生に、具体的にどのような影響があるのか。論理的な「説明」と、当事者意識を持つための「実感」の双方が大事だ。そのためには、世界と日本人一人ひとりを結びつけるさまざまなつながりを、深めることが必要だろう。認識の面でも、行動の面でも。そして、日本と世界の問題を一体として考える発想を持つことができれば、国内か海外かの「二者択一」は、発展的に解消する。

今回講義をアレンジしたK先生は、偶然大学時代のインターカレッジ・サークルで一緒。久しぶりの再会だ。講義の後に話したゼミ生の一人は、来年から大手旅行会社に就職するとのこと。国際関係に興味を持ち、人の流れを通じて世界の問題に関わっていきたいと、夢を語っていた。その通り。旅行や観光は、日本各地と世界を結びつける大きなチャンネルだ。日本人が世界の問題を身近に感じられるように、私もできることに取り組んでいきたい。

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2008年07月15日

平和構築コミュニティ・オブ・プラクティスと組む

IMG_0750 この3月、NYで平和構築コミュニティ・オブ・プラクティス(PBCoP)が立ち上がった。国連平和構築委員会(PBC)を支える平和構築支援事務局(PBSO)を中心に、国連の平和構築関係実務者・研究者がネットワークを作ったものだ。

この第1回ワークショップが7月下旬に広島で開かれる。広島平和構築人材育成センター(HPC)が共催に加わった。世界各地の第一線の実務者が広島に集まり、HPCの研修員と一緒に議論を深める。HPC発足から1年あまり。グローバル・スタンダードの参画と貢献を目指して、新たな一歩を踏み出した。

ワークショップ自体は非公開だが、7月25日には東京のUNハウスで公開セミナー「国連による平和構築が直面する課題:現場からの教訓と新しい取組」が開催される。「ヒロシマ」を軸に、世界と日本の平和構築への取組、そして関係者を結びつけたい。

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